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村の人が集まっていた祖父の骨董店の物語りを大事にして、いごこちのよい空間を生み出している人気店。
YUSHI CAFE(ユーシカフェ)
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佐久市協和2379 ☎︎0267-53-1043 

営業時間 月~日9:00 - 18:00 定休日無

Web 無

オープン/2005年(平成成17年)  ​ 建物の年代/昭和20年代・築70年ほど

設計・施工/建築士には頼まずに、自分でデザインを考え、地域の大工さんに手伝ってもらいながらセルフリノベで施工。

参考にしたいところ古い家の間取りをいかし、開放的で、かつ多様なコーナーを生み出している。カウンター席では、スタッフ、常連、客同士の自然な会話がうまれやすいレイアウトになっている。木の柱や建具が、昔の家の味わいを伝えている。レトロな家具や小物の使い方がうまく、なつかしい雰囲気を出している。

多くの人が「私の一番好きなカフェ」と紹介する店。さりげない優しさと暖かさがあり、そこにいけば知り合いがいて、自分の居間のように毎日でも通いたくなるという魔法のカフェです。

オーナーの高塚裕士さんは、埼玉出身。この家はおじいさんの営んでいた天保堂骨董店で、小さい頃遊びに来ると、近所の人が毎日のようにこの縁側に寄ってきて、一日に何人もの方が訪れてはお茶を飲んでいたのがとても不思議だったとか。

音楽家(ギタリスト)として活動していたが25歳で断念し、サラリーマンとなるが2年でリタイヤ。これからどう生きていこうかと真剣に考えた末に「ルーツに戻り、そこからみんなと文化をつくることのできる場所“カフェ”をつくろう」と思い至ったそうです。
フリーでWEBデザインの仕事をしながら、空き家になっていた天保堂を改修して開業することを決め、望月に移住したのが27歳の時。
「改装は、自分で全部やろうとしたけれど、壁や床をはがしたら構造がどうなっているのかわからず、祖父の知り合でもあった大工のおじさんたちに頭を下げて『教えてください』といったら、『やってやるわ』ということになり手伝ってくれるようになった。第一線をすでに終えていた60,70代の腕の良い職人さんが、通常の半分くらいの日当で手伝ってくれた。その人たちがいろいろな知り合いに声をかけて、必要な材料を安く集めてくれた。
デザインのコンセプトは『祖父の骨董店の物語を引き継ぐこと』。デザイナーは入らずに、自分で考えた。なるべくお金をかけず、建物と相談しながら、 建物の物語を壊さないよう心がけた。縁側はそのまま残し、骨董店に残されていた家具や調度品を使った。でも生活感は出さないよう心がけた。
人が出入りしやすいように土足にした。トイレを水洗にした。
オープン当初から、店をつくってくれた職人さんや親戚が客として通ってきてくださり、今も常連になってくれている。よその人や移住してきた人が何か店の人に質問したりすると、カウンターの常連さんが答えてくれたりする。
「自然に人と人がつながる環境のなかで文化は生まれる。子どもからお年寄りまで、どんな人にも居場所になる、気持ちのいい時間が過ごせる場所にしたい。コーヒーは、人と人をつなぐものだと思います。」(高塚さん談)
できるだけマスコミや、自からのネット等での宣伝を避け、クチコミでの集客に徹していきたい、というのがポリシーだそうです。

望月は山の中の小さな宿場町です。この地に民芸運動、平和運動を望月に根付かせようとした小林多津衛先生(平成14年没)の影響で、手仕事(衣食住)の美しさを大事にする方がたくさんいるまちです。高塚さんのおじいさんも小林さんと親しくされていて、そのお仲間が天保堂には集っていたのでしょう。
望月の移住者から「師匠」と呼ばれている蕎麦屋「職人館」の北澤正和さんもその仲間のひとりです。そのような人の輪が、このユーシカフェに引き継がれているのを感じます。そして、そのあたたかい空気感に惹かれてきたよその若者が、一人、また一人と望月に根付き、新しい人の輪が生まれてきているのを感じます。

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