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参考にしたい!
古民家・空き家再生の店&宿 @ 信州・小諸佐久周辺
江戸時代からの金物屋さん。町並み保存に尽力した祖父の店を、父と子で再生して居酒屋に。若者に人気の店。
オープン/2007年(平成19年) 建物の年代/江戸時代
不動産/祖先から受け継いだ家屋
設計・施工/祖父の家を、飲食店デザインの仕事をしている息子さんが設計施工し、お孫さんが店の経営を行っている。
参考にしたいところ/構造的に弱かった建物を補強し、柱や梁を見せる古民家空間をウリとする飲み屋にした。
もともと長屋のようにつながった数軒の商家のうちの1棟で、江戸時代から板金屋、金物屋さんを営んでいた家。平成11年に始まった本町の歴史まちづくりのリーダーだったおじいさまの遺志を継ぎ、今はお孫さんが古い建物を活かした居酒屋を開いています。
閑散とした町並みの中で、ここだけはいつも若者でいっぱいの繁盛店です。
設計施工にあたったお父さま曰く、「改装前は、新建材で覆われていた。天井は2〜3段になっていた。寒かったから天井を下げてきたのではないかと思う。改装にあたってはそれをとって、梁や筋交いを入れて構造的に補強してそれを見せることで古さを演出した。壁も元々の古いものではなく新建材だが古く見えるようなもので塗ってある。しかし、厨房側の壁はわざと古い土壁を残した。居酒屋風と言うことで土壁にした。大雨が降ると土壁を伝って隣の雨が入り込むこともあった。2階の部分の壁がないのは、土壁であったものを取ってみたら雰囲気がよかったので、2階が見えるような形にした。また、下が暖まれば、2階も暖まるのでそのように改装した。
壁や柱などに残された父の書いた字などは、なるべく残すようにした。
土間ももともとのものではなく、それらしく見えるものを塗ってある。
細長い敷地のため、改装の際のガスや水道などの配管には苦労した。奥に土蔵がありさらに奥には畑があり、奥の深い構造となっている。親父の代に隣の敷地を購入したので間口が2ヶ所あり、奥の使い勝手がよいが、隣がなければ奥の使い方が難しい。
一番苦労したのは、元に戻すというか古く見せることだった。
店のコンセプトとしては、江戸に戻すというか、個室にするのではなく、小上がりを長く取って、隣同士仲良くなれるような店づくりを行った。この店で人と人が繋がってくれるとよいな、と思いながらつくった」とのことです。
天井の明かり取り。ガラス戸をとればこんな感じ。→
通りに面した厨子(つし)二階の部屋。
←下の様子も見えるよう、障子のフレームだけ付いている。
江戸時代は、表に面して二階に部屋をつくっていはいけなかったので、ここは屋根裏の収納部屋だった。
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