参考にしたい!
古民家・空き家再生の店&宿 @ 信州・小諸佐久周辺
建築家が、まちなかの旅館でゲストハウスを運営。
クリエーターのシェアハウス&ワークスペースとしての利用も、模索しています。
オープン/2018年(平成30年)建物の年代/1968年(昭和43年)
設計・施工/内装をきれいにし、基本的には元の旅館をそのまま使っている。
参考にしたいところ/11の客室、55畳の大広間など、広大なスペースがある。今後、コワーキングスペースや共同アトリエなど、さまざまなことで活用していかれる可能性を考えている。
賑やかだった中込商店街が空洞化し、この老舗旅館も廃業においこまれました。中込出身で、空き家活用によるまちの再生を考えていた建築士の柳沢洋介さんは、ここをその拠点にできないかと考えました。37歳の時です。
「はじめはクリエイターのシェアハウスを目指し、いずれ買いとるという約束で内覧会を重ねました。7くらい入居希望者がいたから、これなら成り立つと思って建物を買ったら、実際には1人しか入居しませんでした。
ゲストハウスもやりたいと考えていたので、大変かなとは思いましたが、Airbnb(エアビーアンドビー/国際的な宿泊予約サイト)に登録してみたそうです。そうしたらちゃんと予約がはいってきたそうです。最初はシェアハウスの住人にベットメイクなど手伝ってもらっていましたが、そうはあてにできないので、自宅と設計事務所をここに移し、今は自分でゲストハウスの仕事をこなしています。
その後、長期で暮らす人も出てきましたが、シェアハウスの一番のニーズは生活費が抑えられることです。ここは光熱費込みで月4万円。敷金礼金なし。安いアパートでも3万円が相場なのでそれ以上にはできません。もちろん人との交流が好きな人でないと入りません。長期滞在の人や、旅人がそのまま住んでしまったこともあります。そういうケースは女性が多いですね。
ゲストハウス利用も、セルフの部分を多くして宿泊料を抑えることが大事です。一人旅もいれば、小さい子供のいる家族などにも安価で気兼ねなく泊まれると好評です。2割くらいが海外からのお客様。外国人バックパッカーは、ブッキングコムとエアビーを見て来ます。軽井沢の周辺で安いホテルを探してくる人が多い。海外からみれば、軽井沢エリアだと思うらしいです。たいて2泊して軽井沢に通う。または東京から離れたくなって1泊目でここに来る人もいる。その後スノーモンキーなどを見に行く。
食事は、外で食べてもらうか、厨房をつかっての自炊。自転車を置いているのでスーパーで買い物をしたり、自分のまちのように過ごしてもらっています」
柳沢さんご自身、旅の人とのかかわりが楽しみで、ロビーで一緒にお酒を飲んだりするそうです。
今後は、ここでの経験を生かして、専門家としてまちの他の空き家物件の再生や事業計画のアドバイスをしていかれればと考えているそうです。
柳澤洋介建築研究所